しなやかな背中に眠るエデン

歯がゆさも抱きしめながら

ジャニーズJr.のキミを知りたいと思った



今の気持ちを忘れないためにここに記しておこうと文字を打っています。



『ファンは自担に似る』ということばを見たことがある。


これはきっと幻想だ。わたしは二宮くんに何一つ似なかった。容姿とか仕草とか考え方や言葉の選び方。どれをとっても二宮くんは二宮くんだし、わたしはわたしでしかなかった。
ただの幻想。だけど、理想でもあった。言い得て妙といった二宮くんの言葉選びのセンス、否定と肯定をうまく使い分けた考え方、儚げで憂いを含んだ瞳、やさしい微笑み。二宮くんになりたいと思ったことはなかったけど、二宮くんが創り出すもの全てが輝いて見えた。わたしが好きな人はこの人ですと大きな声で言える自慢の人だった。でも数ヶ月前にここで担降りを表明した。大勢いる二宮担のうちのひとりのちっぽけな表明だったけどわたしにとっては一大決心だった。





そんなわたしが今、追いかけているアイドルの話をしようと思う。




わたしは華奢でどこか儚げで触れたら壊れてしまいそうなアイドルに幻想を抱き、惹かれやすい。だから華奢でもない彼のどこに惹かれて何をきっかけに“担当”として応援していこうと決意したかは正直なところ覚えていない。覚えていないから書きようもない。

けどひとつだけ言えるとしたら、180cmを超える大きな体格からは想像もできないほど、纏う雰囲気が孤独に見えたからだ。

よく笑いよくギャグを披露する長身の彼に対して孤独と表現するのはどうかとも思う。けれどなぜかとても可哀想で儚げな人に見えてしまった。そう勝手にわたしの脳内が作り上げたいのかもしれないし、彼にとっては不本意かもしれない。
初めて彼を認識したとき、細く綺麗な二重で力強く見つめるその瞳の奥に孤独を感じたと同時に、その瞳が純真無垢に見えた。



わたしがこの数ヶ月で見てきた彼はずっと笑っている。



たまに上の空になって人の話を聞いてないかと思えばいつのまにか話の中心にいたりして、不思議な人。
ハーフだから小さいころから父親とは英語で喋っていたせいか少し日本語が苦手で年の近いメンバーと熱い話になったときお互い言いたいことがかみ合わずに思わず泣いてしまう、ちょっぴり残念な人。
ときにはメンバーのことを想い感情が高ぶって泣いてしまう、心の熱い人。
メンバーのダメなところも嫌味なく言える、グループの士気を高められる人。

しかし、わたしがこれまでに見てきた彼はよく笑う。本当によく笑っている。
大きな声を上げて笑うと周りの人も伝染して笑っていて、その雰囲気にさらに笑っちゃう、とてもとても愛しい人だ。だから余計に孤独とは真逆の人間に思えて、わたしのファーストインプレッションは間違いだと言い聞かせた。



2018年末に発売された雑誌でとても印象に残る彼の言葉がある。

「落ち込みたくないんで、無駄に期待しないようにしてるんです。」

もしかしたら彼はデビューのチャンスを目の前にして掴み損ねた経験があったのかもしれないし、推されていた時期があったのに次に繋げられずに後輩がデビューしていくのを端で見送っていったこともあったかもしれない。彼はきっとこれまでに周りの大人たちや自分自身に期待したことが幾つかあったのだろうと思う。

あれだけ周りを楽しませたくさん笑う彼がこんなことを言うのかと衝撃を受けた。その一方で、ギャグを言って笑わせてみせる今の彼はきっとこの流動的で確固たる保証のないジャニーズJr.という世界で自分を守るために身につけた術なのかもしれないなと思った。そしてSixTONESというグループももしかしたら彼にとっては精神安定剤であり自分を守るための場所のような気がした。


彼が一緒にバカレア組と呼ばれていた他の5人に声をかけていなければきっとSixTONESは結成されていなかったはず。わたしは過去のことを何一つ知らないけど、バカレア組として雑誌や少クラに出ていた彼ら6人が自然消滅していき彼1人、あるいは彼ともう1人のメンバーとシンメと呼ばれながら2人で活動することが増えていったと、昔からのファンの人のはてブを読んで知った。

彼はきっと孤独と戦っていたのかもしれない。そしてその孤独に押しつぶされそうになったことがあったのかもしれない。そんな彼が見つけた居場所。


別の雑誌でグループについてこう語っている。

「ジュニアになって、もう13年。もしも中身が自分のまま13年前に戻っても、またジュニアの道を選ぶと思う。いろんな経験を積み重ねて、またこの6人で同じグループになれるときを楽しみに待つんじゃないかな。」

どんなに遠回りをしても彼はきっとまたこの道を辿ってこの5人と一緒になる。不安や葛藤、喜びや楽しさというたくさんの経験を積み重ねて。







ジェシーくん。

あなたがもしも13年前に戻ってまたジュニアになるとしたら。この6人で同じグループになれるとしたら。わたしもその頃に戻ってあなたの歩みをそばで見守りたい。あなたの感じる喜びや悲しみを分けて欲しい。

あなたのようにはなれないけど、あなたのような人になりたい。

いくつもの傷を負いながらグループのシンボリックとして存在するあなたはとても美しいです。

たとえあなたが誰かに嫌われようともわたしはずっとあなたの味方でいたいです。あなたの発信することを否定する人が現れたならわたしは否定的な数以上に肯定し続けたいです。あなたの背負うものを軽くすることはできないかもしれないけどどんなときも寄り添いたいです。



好きという言葉であなたを語るにはあまりにも簡単すぎるけど、好きというたった一言があなたを全力で守る原動力になっています。





これから広がる世界があなたの傷付かない世界であってほしいと願わずにはいられません。